昨日、「リベリアの白い血」という映画を見てきました。
リベリアの美しい土地で、ゴム農場の過酷な状況下で働きながら、普通の暮らしを営む主人公。
ニューヨークへ移民として渡り、アメリカンドリームではなかった現実の中で、内戦時の記憶と戦う一人のリベリア人。
こういう人たちが、世の中にはたくさんたくさんたくさんいるし、
はい、こうして幸せに暮らしましたとさ、ちゃんちゃん、なんてハッピーエンドはどこにもなくて。
https://liberia-movie.com/
映像を見ていて思ったのは、アフリカの大地はやはり本当に本当に美しくて。
こんな陳腐な言い方しかできない自分の語彙力が恥ずかしいのですが・・・本当に、美しい。
そこで暮らしを営んでいる人たちも美しい。私が好きなアフリカの姿がそこにあった。
貧困とか搾取とかそういう問題はとりあえず置いておいて。
壊れてしまうんじゃないかと思うが意外と丈夫な、定員オーバーでも未舗装路を走り続けるバイク、
コンクリートむき出しの作りかけの建物の横でダラダラ喋り続け、冗談を飛ばしあい、こぜりあったりする男たち、
木を頭の上に乗せて一列に並びながら、家までの岐路を完璧なハーモニーで歌いながら歩き続ける女性たち、
この世の終わりかってくらい熱弁する教会の牧師と、コール&レスポンスで高まっていく士気感と一体感、
決して良いとは言えない音響設備で爆音で音楽を鳴らし、歌い踊る村の人たちの日常。。。
普通の人の暮らしが、そのまま描かれてるなぁと。(あくまでよそ者目線なのかもしれませんが)
しかし、みな内戦という悲しい過去を背負っています。今は過酷な労働に苦しめられています。
そして子供たちには、自分たちのような生活をさせたくないと、変化を求めていくのです。
南アフリカのケープタウンに住んでいた時、私もたくさんの移民たちに会いました。
その多くは他のアフリカからやってきた人たちで、南、西、東アフリカ、様々な国から、
職を求めて祖国から単身でやってきた人ばかり。
彼らの中には、自分でお店を持って安定した生活をしている人もいれば、
職が定まらずやはりお金に困っている人もいた。
新しく家族を作っている人もいれば、家族を祖国から呼び寄せられた人もいた。
自分のできることを、探していたな。仲間に頼ったり、目的もなくただ集まったりしながら。
彼らのことを、今思い出しています。どうしているかな。
主演のビショップ・ブレイの演技がとてもよくて。
彼自身、ゴム農園で働いた経験もあり、内戦時にいたガーナの難民キャンプで演技を学んだらしいです。
この映画の撮影後、アメリカに住むことにしたらしく。
彼の人生となんだか被る映画のストーリーで、それがまたリアリティに色を添えているのかなと思います。
最後に。
この映画の監督はNYを拠点にしている日本人だそうです。
また、もともとドキュメンタリー映像としてリベリアを撮っていたのも若い日本人で、
リベリアで撮影中にマラリアに感染し、志半ばで亡くなられたとのこと。